2021/12/28
観察記録(86) 2021年を彩った魚達
過去記事を遡ってみた所、ダイジェスト記事を投稿するのは3年振りになるらしい。
あの時(前回・2019年12月)は、その年に入手した魚達のハイライトを記事にするんだ!と力強く思ったのだけれど、一回だけ投稿して忘れていた・・・。
本当は毎年、12月になったらダイジェスト記事を掲載するつもりだったんだけどね。
そんな訳で、今年の締め括りに2021年を彩った魚達を振り返る。
珍しく通信販売を利用して、アクアF神戸さんから送って貰った。
ブロードバンドアクセルロディ(Corydoras sp.)。
2021年3月、唐突にコロンビア便で輸入されて来た、恐らく未記載種。
どうやら異なる2便の輸入があった様だけれど、いずれもアクセルロディ又はcf.アクセルロディだったから、小売店側も違いが分かっていなかったらしい。
CorydorasWorldではCW169を付与されているが、こちらもオリノコ川水系のアリアリ川に生息するとされる以外の情報は無い。
アクセルロディ系が大好きな私は、勢い余って10匹も導入してしまった。
飼育してみて分かったのだけれど、導入さえスムーズに行えれば飼育自体に難しさは無い。
弱酸性・軟水の環境で飼育しているけれど、水質変化に対して神経質な反応も無いしエサの選り好みもしない。
現在は冷凍アカムシをメインに、どじょう養殖研究所・GROW、テトラ・ファンチップスを与えている。
他のコリドラスと同じく、成長する際には「スイッチ」があるみたいで、ある日を境に急激に大きくなる傾向がある。
こちらは20年振りに手に入れる事が出来た。
ハイフェソブリコン・コペランディ(Hyphessobrycon copelandi Durbin, 1908)。
かねだい四街道店さんから送ってもらった。
Twitterのタイムラインに流れて来た入荷情報を見掛けて、速攻で10匹押さえた。
これこそ1990年代に「マナウスMIX」として輸入されていた、あの個体群と同一だと思われる。
成長したオスは圧巻のフォルムを見せてくれる。
シャープな顔付き、対照的に優雅な背鰭と尻鰭。
オールドマニアにとっては、小型カラシンの最高峰の一つではないだろうか。
ベテラン勢が色めき立ったのも分かる気がする。
背鰭と言えば。
セミロングノーズスーパーシュワルツィ№6個体(Corydoras sp.)。
今年、久し振りに国内での繁殖事例があり、プルス川に生息するコリドラスの繁殖方法について重大なヒントがもたらされた。
詳細については稿を改めたいのだけれど、生息地の水質を考慮するのは無駄ではなさそうだ。
今年は2匹のセミロングノーズスーパーシュワルツィを導入した。
何かとハイブリッド扱いしたがるコリドラス界隈だけれど、自然下での種間交雑は滅多に起こるものではない。
よく「プルケール寄り」とか「スーパーシュワルツィ寄り」の様な表現をされて、未だにハイブリッド扱いする人が居るけれど、前回の繁殖事例でも既に否定されている。
セミロングノーズスーパーシュワルツィ同士の子供からは、スーパーシュワルツィやプルケールは分離しない事が分かったのだ。
つまり、両者の種間交雑ではなく、独立した種である可能性が極めて高い事を表している。
個人的には今年のハイライトだったかもしれない。
ロブスタス(Corydoras robustus Nijssen&Isbrücker,1980)。
滅多にお目に掛れない「無班」表現のロブスタス。
1990年にロブスタスが初輸入されて以降、恐らく数匹しか入っていないはずだ。
全体的に黒色色素が薄く、半透明の様な不思議な体色をしている。
あまり話題に上らないけれど、コリドラスは色彩変異が大きいグループだ。
ブリーディング技術の向上に伴い、アルビノや白変、黒化なども含めると結構な頻度で色彩変異が出現する事が分かってきた。
天敵のいない飼育下だからこそ、それらの色彩変異個体が捕食されずに生き残られるからだ。
従って、無班ロブスタス等も、一定の割合で生まれてはいると考えられる。
滅多に輸入されないのは、アルビノや無班等の白っぽい個体は生存競争を生き抜けないからではないだろうか。
こうして飼育する事が出来たのは、奇跡的な確率だったのかもしれない。
2021年。
新たに導入したコリドラスは、以下の17匹だった。
ブロードバンドアクセルロディ : 10匹
セミロングノーズスーパーシュワルツィ : 2匹
プルケール : 1匹
ロブスタス : 3匹
アクセルロディvar. : 1匹
カラシンは3種16匹になった。
ハイフェソブリコン・コペランディ : 10匹
モンクホーシャ・コペイ : 5匹
モンクホーシャsp.”コロンビア・ブルーアイ” : 1匹
こうして書き出してみると、近年になく(私にしては)大量の魚を導入している事が分かる。
新たな魚との出会いと言う点では、非常に幸運な一年だったと言える。
そして、ビファシアータスとブロードバンドアクセルロディ、セミロングノーズウルトラシュワルツィの3匹を失った。
特にブロードバンドアクセルロディに関しては、サイズが小さかった事もあり経過観察を長くした事が悔やまれる。
やはり、早期発見・早期治療が原則なのだ。
改めて考える事の多い一年でもあった。
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